カンボジアのまさと(masato_ogiwara)です。
今日は日本の就活の「新卒一括採用制度」について書きます。
高校を卒業してから就職をしようと考えている人、大学卒業後は一般企業で働こうと思っている人必見です。
他人事じゃないですよ。
新卒ブランドがなくなる?
10月3日の記事によると、ヤフーが新卒の一括採用制度を廃止しました。
ヤフー、新卒一括採用を廃止 30歳未満は通年
ヤフーは新卒の一括採用を廃止する。
10月から新卒や既卒、第二新卒などの経歴にかかわらず30歳未満であれば誰でも通年応募ができるようにする。
技術者や営業職など全ての職種が対象で、1年で300人程度を採用する計画だ。
(引用:日本経済新聞)
僕はこれが大きく今後の日本の就活を変えるきっかけになると思っていて、今までであれば、
「新卒だからチャンスは多い」
とか
「新卒なら頑張ればどこでも入れるでしょ」
という風潮がありましたが、これがヤフーの場合では、
「30歳未満の若い人たちであれば、新卒でなくてもチャレンジできる」
ということを打ち出しました。
これがどういうことかというと、22歳の大学卒業したての人と26歳の社会人経験ある人が同じ土俵で就活をするということになります。
これまでは、同年代の人よりもアピールできれば合格し、入社できていたものが、実際に社会人を数年経験している人と対等に勝負していかなくてはならないということになりました。
もしヤフー以外のすべての企業もこの新卒一括採用制度を撤廃した場合には、「大学を卒業したばかりの新社会人」になる人は圧倒的に就活で不利になります。
そうなると、今まで言っていた新卒ブランドという言葉もなくなり、もはや新卒というステータスはブランドではなくなってしまう日が来るかもしれません。
新卒一括採用制度がなくなると何が起こるか?
もし日本の就活から新卒一括採用制度がなくなった場合には、これまでよりも転職が非常にしやすくなるため、より能力の高い人が、より自分の能力やスキルを発揮できる場所へ流れやすくなります。
その一方で就活に苦労している人は、ライバルのレベルが大幅にレベルアップしていく可能性が高まり、より今まで以上に苦労することになるでしょう。
それは新卒の人は社会人経験がないので、特に苦労する可能性が出てきます。
そのため、今まで以上に学歴や能力の格差が生まれてくるのは時間の問題で、僕が過去記事で紹介している堀江さんの近畿大学の卒業式でお話ししていた内容がとても参考になるので、ぜひ見たことのない人はご覧ください。
新卒一括採用制度を止めたら企業にはメリットしかない
実はこの新卒一括採用制度を止めたら、企業側にはメリットしかありません。
その理由は、
実力のある人をしっかり選べる
僕もそうでしたが、新卒の人というのは自分に何が向いていて何が向いていないのかということがわかりません。
そのため、新卒の人は自分に合っていないと感じた場合すぐに辞めてしまうため採用に対してリスクが高いのです。
実際にデータは1年前のものになりますが、新卒の3年以内の離職率は32%と約3人に1人は3年以内に新卒で入社した会社を辞めてしまうという統計もあります。
▼関連記事:32%が3年以内に離職=12年春の大卒者―厚労省
そこで新卒一括採用制度を止めることで、企業は時間をかけて人材を雇うことができるため、ミスマッチを大幅に防ぐことができるようになるのです。
新卒の人材育成にかかるコストを抑えることができる
これまで学生だった人材を一人前の社会人にするまでには、相当な時間と労力がかかります。
そういう僕自身も新卒で入社した会社では社会人としての基礎を叩き込んでもらっている時に退職し、独立を選択してしまったこともあり、これまでビジネスマナーではとても苦労をしました。
結果的に、新卒一括採用を止める事で、僕のような新卒で社会人経験のない、すぐに辞めてしまうリスクのある人材を雇うリスクを抑えることができて、なおかつ能力の高い人を採用する方向に時間と労力をかける事ができるので 、企業にとっては合理的とも言えます。
しかも、ヤフーは週休三日制の導入を検討しており、精鋭たちだけで会社を回せば週休三日でも十分という意味でもあると思うので、今後のヤフーから目が離せません。(参考:ハフィントンポスト)
今後はインターンシップ採用が増える?
今後は僕の勝手な予想ですが、今後は若い人はインターンシップとして働き始め、そのインターンシップをクリアしなければ採用には至らないというように変化していくと思います。
そうなってきた場合、現在のヨーロッパのような若者の雇用の失業率のような状態になりかねない可能性もあるので、現在学生をしている人にとっては、他人事ではなく、むしろ自分のこととして数年後に降りかかる可能性があるため、現状を知って何か対策を考えるべきと思います。
若年層の失業者が半数以上の国も
欧州連合(EU)では失業率が増加し続けているが、とりわけ深刻なのは若年層(15歳~24歳)だ。EU加盟28カ国の平均で、実に23.5%の若者が仕事が見つからない状況にある。ただし、加盟国の中でも国によって差は大きく、失業率が最も低いドイツ(7.9%)と最も高いギリシャ(57.3%)とでは50ポイント近い開きがある。
若年層の失業率はギリシャに次いでスペインが高く(56.5%)、クロアチア(52.8%)も半数を超えている(表1参照。2013年7月時点)。(引用:EU MAG)
転職者も他人事ではない
新卒一括採用がなくなることで、今後は転職がしやすくなるということがある反面、今まで以上に実力や実績が重視されるようになるため、会社としての看板を外してからの個人の能力やスキルが重視されるようになります。
そこでまずは転職を考える前に、自分の強み診断と自分の市場価値を診断できるMIIDAS(ミーダス)で自己理解をしてみましょう。
これらのツールの使い方は以下でも紹介しているので、ぜひオススメです。
今後の日本の就活はどんどん変化していき、今後はヤフーのような企業がどんどん増えていくと思います。
すでに海外では一括新卒採用をしている国も少なく、近い将来は日本の新卒一括採用制度がなくなり、就職できない若い人たちが増える時代が来るかもしれません。