カンボジアチーム

カンボジア人が一年間努力して大きな結果を掴み取った話

カンボジアのまさと(masato_ogiwara)です。

今日はカンボジアのソフトテニスの全国大会【第3回ソー・ケーン副首相ソフトテニスオープンのダブルス決勝戦】がありました。

この大会は地方からや硬式テニスの愛好家の人も参加するので、規模としては選手の数は50人前後で、関係者を入れて120名くらいの規模の大会になります。

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以前、カンボジアの連盟は大会運営に関しての知識はほとんどなかったので、リーグ戦の作り方やトーナメントの作り方は、僕が競技をやってきて学んだ知識を1年前に教え、今では僕が手伝わなくても、盟としてしっかりと運営できるようになっていました。

今回はそんな3回目を迎えるこの大会について紹介します。

カンボジアの全国大会の日程は全部で3日間

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この大会は2016年4月1日から4月3日までの全部で3日かけて行われます。

日本のように朝から夕方まできっちりしたスケジュールではなく、比較的ゆる〜い感じの進行で進みます。

カンボジアは午後は暑すぎて、とてもじゃないですがテニスができるような気温ではないため、無理のないように進められます。

ナショナルチーム以外は比較的和気あいあいとした雰囲気で大会が進んでいきます。

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種目は男子シングルスA,B男子ダブルスA,Bミックスダブルス全5種目で、女子はまだまだメンバーが少ないので、大会ができるほどいないため、ミックスダブルスとして出場します。

カンボジアのソフトテニス審判事情

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カンボジア人は審判ができるの?と思う人がいるかもしれませんが、硬式テニスは古くからあるので、その辺に関しては全く問題ありません

ソフトテニスをやっている人にはわかると思いますが、カンボジアにも日本で使うジャッジペーパーがあります。(ジャッジペーパー:スコア表

僕が去年初めて大会に参加した時にびっくりしたのが、連盟の人はスコアを書くことはできるのですが、その書き方は日本と違います

何れにしても、どっちが点数を取ったのかということが分かれば十分なので、これに関しては彼らのやり方を尊重しています。

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この大会はいっちょまえに選手証みたいなのも配られますが、一度も使いませんでした。

主催者側や審判の人たちにも専用のものが配られ、そちらは使っているようでした。

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トスを行うとき、日本ではラケットを回して、ラケットの公認マークがある方を表にして表か裏かを当てることでサーブする側を決めますが、カンボジアでは硬貨を使って、その表裏によってサーブする方を決めます。

これはインドでの世界選手権でも同じで、トスの時にラケットを回す文化は国際大会ではないようです。

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こんな感じの硬貨を使います。

決勝戦のみ最終日へ

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カンボジアの全国大会は全部で3日間あり、二日間で全種目を準決勝までしか進めず、それぞれの決勝戦は最終日へ持ち越されます。

その理由は、大会の最終日にはテレビ局を呼び、政治家を呼び、警察のお偉いさんを呼ぶということをするため、とても盛大に行われます。

まるでイベント会場かのように、ステージが組まれ、朝の練習時間には歌手が歌を披露し、MCが司会進行をしながら決勝戦を進めていってくれます。

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この来賓ステージとコートの間はわずか数10センチしかないため、めちゃくちゃ近くで試合を観戦することができます。というよりも近すぎてとても危険でした。

20(ネットから来賓席の間隔)

22(余興の様子)

 

ダブルス決勝戦へ出場

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僕はダブルスの決勝戦に残ることができ、2年連続ダブルスの決勝で、昨年はここで負けて2位でした。

ペアのJICAの近藤くんと組む最後の大会ということもあり、優勝できたらいいなと思っていました。

相手は去年負けた相手ではなく、去年はBチームにいた選手でこの一年間誰よりも頑張ってきた選手たちでした。

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僕は彼らが決勝までくるとは思っていませんでしたが、これまでやってきたことを自信に変えて、誰よりも思い切りのあるプレーをしていました。

僕たちはその思い切りのいいプレーに最後まで押し切られ、ファイナルセットまでもつれましたが負けてしまいました

やはり、一生懸命努力している人は、最後に強いということを感じました。

彼らは一年間相当な努力をしてきて、BチームからAチームへと上がり、カンボジアの新チャンピオンになりました。

 

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年同様、僕自身はプレーヤーとしての悔しい気持ちと、コーチとして嬉しい気持ちの半分半分ですが、一年間彼らがひたむきに努力している姿をずっと見てきたこともあり、とても感動的な試合でした。

試合後には熱い抱擁を交わし、お互いの健闘を称え合いました。

また、試合終了後には彼らは僕の知らないところでペアで練習をしていたことや、YOUTUBEで日本の選手の試合を見て、打ち方や試合運びを研究していたことを教えてくれました。

そんな彼らを見て、カンボジアチームとして世界で結果を出せるチームにすることが、ヘッドコーチとしての僕の役割であると再認識しました。

表彰式の様子

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カンボジアのソフトテニス全国大会は表彰式もしっかりと行われます。

ちゃんと表彰台も用意して、それぞれの種目の入賞者が、ソフトテニス連盟の方々からのメダル、商品、賞金を授与されます。

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この大会は1年に一度しかない大会で、昨年よりも間違いなく彼らのレベルは上がっていました

一年間でこれだけの成長をした彼らは来年には、どれくらいレベルアップしているのか楽しみでなりません。

今年は2位になれましたが、きっと来年はさらにレベルが上がってる彼らに勝てなくなるような気がしています。

これからまた一年間彼らと一緒に成長し、彼らが世界で勝てるような選手、チームになるように僕自身もチャレンジしていきたいと思います。

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